暮らしのこと
1986年、富山県小矢部市の山間部にあった大正末期に建てられた村役場を、現在の場所に移築復元し、自宅兼工房として住んでいます。
窓ガラス1枚にいたるまで、元の建材をできる限りそのまま使って移築したため、住居としては色々不便なところもありますが、
今の建築にはない、懐かしく温かい雰囲気が気に入っています。
内装も、建築された当時の最先端だったアール・デコスタイルと、伝統的な日本建築のスタイルが融合した和洋折衷のデザインで、
家具やインテリアもそれに合わせています。
この建物は2000年に国の登録有形文化財に指定されました。
この建物に住むことで、衣食住の全てが、自然とエコロジーとリサイクルを意識したものになりました。
現在、電気の半分は風力発電と太陽光パネルでまかない、春から秋にかけては太陽熱温水器の温水を利用しています。
冬はペレット兼薪ストーブで暖をとり、同時に藍染のための灰も作ります。
畑では、無農薬の野菜と、染織素材としての藍と和綿、養蚕のための桑を育てています。
また、染色で使う藍染の残液や灰、染液を取った後の植物は、畑の肥料として利用しています。
かつての日本にもあった、循環し持続していく暮らしの輪を、少しずつ大きくしていけたらと思っています。